○播磨町人権尊重のまちづくり条例
令和7年3月21日条例第10号
播磨町人権尊重のまちづくり条例
目次
前文
第1章 総則(第1条-第11条)
第2章 不当な差別的取扱いの解決に向けた体制の充実
第1節 相談体制(第12条)
第2節 不当な差別的取扱いに係る紛争の解決を図る体制(第13条-第18条)
第3章 声明(第19条)
第4章 人権委員会(第20条-第24条)
第5章 雑則(第25条)
附則
全ての人間は、生まれながらにして自由であり、基本的人権の享有が保障されなければならない。基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、世界人権宣言、人権に関する諸条約及び日本国憲法の理念を貫く人類普遍の原理である。
播磨町においては、平成元年4月に人権尊重を基調とした「共に生きよう ふれあいのまち」宣言を行い、その精神を踏まえ、各種取組を展開してきた。
しかしながら、社会においては依然として人権侵害及び差別が存在している。また、時代の変化に伴い、インターネットを利用した誹謗中傷、性的少数者等への不当な差別、感染症への偏見その他新たな人権問題が生じている。
このような課題を解決し、人権が尊重される社会を実現するためには、一人一人の個性を認め合い、差別を無くす強い意志を持ち、行動を起こすことが必要である。
よって、私たち播磨町は、世界人権宣言及び日本国憲法の理念の下で、「あらゆる人権侵害を許さない」と改めて宣言するとともに、誰もがぬくもりを感じ、心が通い合うまちづくりを目指し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、人権尊重のまちづくりについて基本理念を定め、播磨町(以下「町」という。)、町民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、あらゆる差別及び偏見の解消を図り、もって全ての人がお互いの人権を尊重し、多様性を認め合う社会の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 町民等 町内に居住し、若しくは通勤する者又は通学する者をいう。
(2) 事業者 町内で事業活動を行う者をいう。
(3) 関係団体 町内の人権に係る協議会、営利活動又は非営利活動を行う団体等をいう。
(4) 関係機関 国、兵庫県、法務局、警察署、他の地方公共団体等をいう。
(5) 不当な差別 人種、民族、国籍、信条、年齢、性別、性的指向(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和5年法律第68号)第2条第1項に規定する性的指向をいう。)、ジェンダーアイデンティティ(同条第2項に規定するジェンダーアイデンティティをいう。)、障害、疾病、出身その他の属性(以下「人種等の属性」という。)を理由とする不当な区別、排除又は制限であって、あらゆる分野において、権利利益を認識し、享有し、若しくは行使することを妨げ、又は害する目的若しくは効果を有するものをいう。
(6) 不当な差別的取扱い 正当な理由なく人種等の属性を理由に、財、サービス若しくは機会の提供を受け入れないこと、又は当該提供に当たって場所、時間帯等を制限し、若しくは当該人種等の属性を有さない者に対しては付さない条件を付すことその他の不当な差別的取扱いによるものをいう。
(基本理念)
第3条 人権尊重のまちづくりは、誰もが一人一人異なる存在であることを踏まえ、多様性を認め合い、不当な差別を解消し、互いの人権を尊重し合うことを旨として実施されなければならない。
(不当な差別的取扱いの禁止)
第4条 何人も、不当な差別的取扱いをしてはならない。
(表現の自由等への配慮)
第5条 この条例の規定の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由及び権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
(町の責務)
第6条 町は、第3条に定める基本理念にのっとり、人権尊重のまちづくりに関する施策(以下「人権施策」という。)を推進しなければならない。
2 町は、あらゆる施策の策定及び実施に当たっては、人権尊重の視点をもって取り組まなければならない。
(町民等、事業者及び関係団体の責務)
第7条 町民等、事業者及び関係団体は、町が実施する人権施策に協力するよう努めなければならない。
(推進計画)
第8条 町長は、人権施策を推進するための計画(以下「推進計画」という。)を策定しなければならない。
2 町長は、推進計画にのっとり、人権施策を具体的かつ計画的に推進するものとする。この場合において、第10条第1項に規定する調査等の結果を踏まえるものとする。
3 町長は、推進計画を策定しようとするときは、あらかじめ播磨町人権委員会(以下「人権委員会」という。)の意見を聴かなければならない。
4 町長は、推進計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、推進計画の変更について準用する。
(人権教育及び人権啓発)
第9条 町は、人権尊重のまちづくりを推進するため、町民等及び事業者に対し人権教育(人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成12年法律第147号)第2条に規定する人権教育をいう。以下同じ。)及び人権啓発(同条に規定する人権啓発をいう。以下同じ。)を行うものとする。
2 町は、町民等がその発達段階に応じて人権についての理解を深めるため、多様な機会を活用して人権教育及び人権啓発を行うものとする。
(調査及び情報の収集)
第10条 町長は、人権施策を効果的に推進するため、必要な調査及び情報の収集を行うものとする。
2 町長は、前項の調査を行ったときは、その結果を公表するものとする。ただし、町長が公表することが適当でないと認めるときは、この限りでない。
(多様な主体と連携した取組)
第11条 町は、人権尊重のまちづくりの推進に向けた町民等の意識の醸成を図るとともに、効果的な人権教育及び人権啓発並びに人権侵害に関する相談及び支援が実施できるよう、関係機関、町民等、事業者、関係団体その他多様な主体と連携するよう努めるものとする。
第2章 不当な差別的取扱いの解決に向けた体制の充実
第1節 相談体制
(相談業務)
第12条 町は、不当な差別的取扱いを受けた者、その家族その他の関係者からの不当な差別的取扱いに関する相談(以下「相談」という。)に応じなければならない。
2 町は、相談があったときは、次に掲げる業務を行うものとする。
(1) 関係機関と必要に応じて連携して、助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応を行うこと。
(2) 必要に応じて関係機関への通告、通報その他の通知を行うこと。
3 相談に応ずる者は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
4 町は、第2項の業務を円滑かつ効果的に行うために必要な人員を確保するとともに、相談に応ずる者に対し、同項の業務の遂行に必要な知識及び技能を習得並びに向上させるために必要な研修を行うものとする。
第2節 不当な差別的取扱いに係る紛争の解決を図る体制
(申立て)
第13条 町民等は、不当な差別的取扱いを受けたと思料するときは、当該不当な差別的取扱いに係る紛争(以下「差別事案」という。)について、町長に対し、当該差別事案を解決するために必要な助言又はあっせんを行うべき旨の申立てをすることができる。
2 町民等の家族その他の関係者は、当該町民等が不当な差別的取扱いを受けたと思料するときは、当該差別事案について、当該町民等に代わって、町長に対し当該差別事案を解決するために必要な助言又はあっせんを行うべき旨の申立てをすることができる。
3 前項の申立ては、不当な差別的取扱いを受けたと思料される者の意思に反してすることができない。
4 第1項及び第2項の申立て(以下「申立て」という。)は、当該申立てに係る差別事案が次のいずれかに該当するときは、することができない。
(1) 裁判所による判決、公的な仲裁機関又は調停機関による裁決等により確定した権利関係に関するもの
(2) 裁判所又は公的な仲裁機関若しくは調停機関において係争中のもの
(3) 法令(民事調停法(昭和26年法律第222号)を除く。)に基づくあっせん、調停、和解の仲介又は紛争の解決の援助の申請等をすることができる紛争に関するもの
(4) 行政不服審査法(平成26年法律第68号)その他の法令に基づく不服申立て又は苦情の申出をすることができる行政庁の処分その他公権力の行使又は職員の職務執行に関するもの
(5) 申立ての原因となる事実のあった日(継続する行為にあっては、その行為の終了した日)から3年を経過したもの
(6) 現に犯罪の捜査の対象となっているもの
(7) 差別事案に係る相手方(以下「相手方」という。)が不明であるもの
(8) 町の区域外で生じたもの。ただし、差別事案がインターネットその他の高度情報通信ネットワークを利用する方法により行われた場合であって、相手方が町民等又は事業者であるときは、町の区域内で生じたものとみなす。
(助言及びあっせん)
第14条 町長は、申立てがあったときは、当該申立てをした者(前条第2項の場合における不当な差別的取扱いを受けたと思料される者を含む。以下「申立人」という。)、相手方その他の関係者に対し、助言又はあっせんを行うものとする。ただし、助言又はあっせんを行うことが適当でないと認められるときは、この限りでない。
2 町長は、申立てがあったときは、当該申立てに係る差別事案の事実関係について調査を行うことができる。この場合において、申立人、相手方その他の関係者は、正当な理由がある場合を除き、これに協力しなければならない。
3 町長は、助言若しくはあっせん又は前項の調査を行うに当たり必要があると認めるときは、その対象となる差別事案に関係する町の機関(町長を除く。)に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
4 町長は、助言又はあっせんを行うに当たり、あらかじめ人権委員会の意見を聴くものとする。ただし、第2項に規定する調査の結果等から人権委員会に意見を聴く必要がないと町長が認めるときは、この限りでない。
5 助言又はあっせんの対象となる差別事案の当事者が町であるときは、前項ただし書の規定にかかわらず、町長は、助言又はあっせんを行うに当たり、あらかじめ人権委員会の意見を聴くものとする。
6 町長は、あっせんによっては申立てに係る差別事案の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
(あっせんに関する勧告)
第15条 町長は、前条第1項のあっせんを行った場合において、不当な差別的取扱いに該当する行為をしたと認められる者が、正当な理由なく当該あっせんの内容に従わないときは、当該者に対して、必要な措置をとるよう勧告することができる。
(意見の聴取)
第16条 町長は、前条の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告の対象となる者にその理由を通知し、その者が意見を述べ、証拠を提示する機会を与えなければならない。
(助言及びあっせん並びに勧告の状況の公表)
第17条 町長は、差別事案の発生の防止又は差別事案が発生した場合における当該差別事案の解決に資するため、第14条第1項の助言若しくはあっせん又は第15条の規定による勧告を行った場合において、申立人、相手方その他の関係者の秘密を除いて、必要な事項を一般に公表するものとする。ただし、特別の事情があるときは、公表しないことができる。
(差別事案に係る調査)
第18条 人権委員会は、第14条第4項又は第5項の規定により意見を聴かれた場合において、必要があると認めるときは、差別事案の事実関係について調査を行うことができる。この場合において、申立人、相手方その他の関係者は、正当な理由がある場合を除き、これに協力しなければならない。
2 人権委員会は、必要があると認めるときは、その指名する委員又は臨時委員に、あらかじめ指定する範囲で前項の調査を行わせることができる。
第3章 声明
(声明)
第19条 町長は、不当な差別に該当する事案で深刻なものが発生した場合において、必要があると認めるときは、町民等及び事業者への不当な差別意識の広がりを抑えるため、声明を発出することができる。
2 町長は、前項の規定により声明を発出しようとするときは、あらかじめ人権委員会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、かつ、その意見を聴く時間的余裕がない場合は、この限りでない。
3 人権委員会は、前項本文の規定により意見を聴かれたときは、町長が定めた期間内に町長に答申するものとする。
4 町長は、第2項ただし書の規定により、人権委員会に意見を聴かずに第1項の規定により声明を発出したときは、当該声明を発出した後、人権委員会にその旨を報告しなければならない。
5 人権委員会は、第2項本文の規定により意見を聴かれた場合において、その調査審議のため必要があると認めるときは、関係者に意見を述べる機会を与えることができる。
第4章 人権委員会
(設置)
第20条 町長は、次の事項を行わせるため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する附属機関として、人権委員会を置く。
(1) 第8条第3項の規定による諮問に応じて調査審議すること。
(2) 第14条第4項及び第5項において、調査審議し、その結果を答申すること。
(3) 前条第4項の規定により町長から報告を受けること。
(4) 前2号に掲げるもののほか、第2章に規定する不当な差別的取扱いの解決に向けた体制の充実に関する事項及び前章に規定する声明に関する事項について、町長から意見を聴かれた場合において、調査審議し、その結果を答申し、又は意見を建議すること。
(組織)
第21条 人権委員会は、委員4人以内で組織する。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、人権委員会に、臨時委員を置くことができる。
(委員及び臨時委員)
第22条 人権委員会の委員及び臨時委員は、人権に関する豊かな知識及び経験を持ち、中立性及び専門性を有する学識経験のある者から、町長が委嘱する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 臨時委員の任期は、当該特別の事項に関する調査審議が終了するまでとする。
4 委員の再任は妨げないものとする。
(守秘義務)
第23条 人権委員会の委員及び臨時委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(規則への委任)
第24条 この条例に定めるもののほか、人権委員会の運営について必要な事項は、規則で定める。
第5章 雑則
(委任)
第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。
(特別職に属する非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
別表播磨町いじめ問題調査委員会の項の次に次のように加える。